気鋭のワイナリー、domaine tettaの高橋竜太さんが自社以外でセレクト。いま、日本ワインで選ぶならこの4本

果物王国・岡山から発信。「domaine tetta(ドメーヌテッタ)」代表取締役・高橋竜太(たかはしりゅうた)さんに、あえて自社以外で、おすすめの日本ワイン4本を選んでもらいました。

岡山県新見市哲多町の土壌が持つ高いポテンシャルを表現。耕作放棄地の再生からスタート、100%自社栽培のブドウを素晴らしいワインに。

岡山県北西部、新見市哲多町で2016年秋にスタートしたワイナリー「domaine tetta」。耕作放棄地を活用した広大な自社農園には、現在、ワイン原材料用ブドウの木が約30,000本あります。中国山地を背にした、高梁川の上流に位置する新見市の土壌組成は日本では希有な石灰岩土質。フランスの銘醸地にも似た石灰岩と赤土から成り、水はけは良好、標高も約400mと高いため寒暖差もあり、古くからブドウ栽培の文化が根付く地域です。この土壌から産まれるブドウ(減農薬・草生栽培)のポテンシャルを表現することをコンセプトに、極力人の手を介さずゆっくり優しく発酵させるワイン造りを目指しています。
・100%自社で栽培したブドウを使う
・野生酵母でゆっくり発酵させる
・補糖、補酸をしない
・強制的なポンプは使用せず、グラヴィティフロー(重力移動)でワインを移動させる
・酸化防止剤(亜硫酸塩)は、最小限の量を添加。 ※全く添加なしのワインもあります
・ワインの個性を維持するため、ろ過は粗目のフィルターでおこなう
・コルクは天然コルクを使用
といった、代表・髙橋竜太氏の一貫した世界観から生まれるワインは、人々を魅了しつづけています。また、この地の資源を活かした石灰岩採掘トンネルを、秘密の坑道ワインカーブとして長期熟成に活用しています。世界的なインテリアデザイナーが手がけた、ワイナリーのアーティスティックな建築は、併設するカフェでも体感できます。

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岡山を新たな銘醸地として盛り立てる「domaine tetta」代表取締役・高橋竜太さん。自社以外で選んだ銘柄は、メルロー縛りのこの4本!

「今回はメルロー縛りでオススメします。日本全国各地で栽培されているメルローを、各地域、各生産者の個性の違いをコンセプトに、セレクトしました(高橋さん)」。長野、宮城の注目ワイナリーからピックアップされた、wa-syuでも人気のこだわりのメルロー。一度は味わってみたい銘柄ばかりです。

写真左から:
Fattoria AL FIORE/Rosso 2018
VOTANO WINE/ブラン・メルロー 2019
ドメーヌ・コーセイ/メルロ 601
ヴィラデストワイナリー/ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018

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高橋さんおすすめ① まだまだ熟成できそうなポテンシャルを感じる自然派ワイン『Rosso 2018』。

「グラスに注いだ直後は自然派らしい色んな要素が複雑に絡みあうかんじでしたが、時間経過と共にいつの間にかグラスの中で調和がとれているメルロー。きれいな赤果実の香りで、ジューシーな味わいをしっかり感じれるメルロー、土の要素はアンフォラから?このワイン好きな人が多いだろうなと想像してしまいました。すでに3年熟成されているけど、まだまだ熟成できそうなポテンシャルを感じます(高橋さん)」。

アルフィオーレが"畑の師匠"として敬愛するブドウの造り手・大野氏が、畑の仕立てからこだわりをもって育てたメルロー100%の赤ワイン。アルフィオーレにとって過去一番天候に恵まれた年、2018年のメルローによる自信作です。旨みのあるミディアムボディタイプ。95%を除梗し、5%だけ梗を入れ、ブドウの自重のみでできた液体を優しく回しかけ、30日間のスキンコンタクト。プレスし、アンフォラに50%、ステンレスに50%を入れて6カ月熟成させたのち、ステンレスタンクに合わせて4カ月寝かせた後、ボトリングしています。

Fattoria AL FIORE[宮城]
Rosso 2018/7,920yen(税込)

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高橋さんおすすめ② 色と味わいのギャップが面白いワイン『ブラン・メルロー 2019』。

「メルローのブラン?これだけで興味をそそるワインですね。淡いピンクでロゼよりなのかと……。飲んでみると重厚な香りとジューシーな味わいときれいな酸で、のど越しはしっかり。色に惑われてはダメだなと、色と味わいのギャップが面白いワイン。思わずニヤと優しく笑った坪田さんの顔が浮かぶワインでした(高橋さん)」。

白ワインの手法で仕込まれた、淡い色の赤ワイン。メルローならではのスミレの香りと、これでもかというほどの旨みが広がります。夕焼けのような美しいピンク色も魅力。ワイン単体ではもちろん、幅広い料理とのマリアージュが楽しめます。

VOTANO WINE[長野]
ブラン・メルロー 2019/5,170yen(税込)

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高橋さんおすすめ③ 一言で言えばエレガントなワイン『メルロ 601 信州 2020』。

「メルロー1種で勝負するという男前のワイナリー、しかも味村さんが造るメルロー、飲んでおかないといけないと思っていたワイン。一言で言えばエレガント。グラスの中で温度上昇と共に華やかな香りが広がり、樽の香りが優しく包み込むメルロー。映画を見ながらずっと飲み続けられるメルローでした(高橋さん)」。

日本を代表する醸造家の一人である味村興成(あじむらこうせい)氏が自身の名を冠して設立した新生ワイナリー「ドメーヌ・コーセイ」。ボルドーの留学時代の経験を生かしたメルローオンリーのワイン造りが唯一無二の魅力を放っています。「メルロ 601 信州 2020」は、味村氏の哲学が表現された、飲みごたえあるフルボディの赤ワイン。長野県産のメルローを100%使用し、フレンチオークで樽育成。エレガントな樽香の余韻が心地良く長く感じられ、今後の瓶熟成が期待出来ます。また、同じ長野県内でも異なる地区の畑で収穫されたメルロー、異なる樽で育成した赤ワインのシリーズ"プライムシリーズ"の一つなので、シリーズの他の銘柄と、個性を比較しながら楽しむのもおすすめです。

ドメーヌ・コーセイ[長野]
メルロ 601 信州 2020/3,850yen(税込)

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高橋さんおすすめ④ 凜としたバランスの"The Merlot"のワイン『ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018』。

「お手本のような、見事なメルロー。濃厚な果実の香り、しっかり完熟したブドウを連想させるボディ、樽のバランス。The Merlotと言えるメルローです。優しい収斂性が後味にあり、口の中が肉汁との調和を求めるのがわかるメルロー。ワインの凛としたバランスが、醸造家・小西さんの姿を目に浮かばせるメルローでした(高橋さん)」。

ワイナリー周辺の自社畑産メルローの中でも選りすぐりのブドウを100%使用、フレンチオーク製の木桶で「かもし発酵」の後、約1年半の樽熟成。本格的なフルボディの味わいに加え、エレガントな果実味の中にスパイスのような香りが溶け込んでいます。柔らかさと深みを感じさせる、ヴィラデストワイナリーを代表する赤ワインです。

ヴィラデストワイナリー[長野]
ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018/6,710yen(税込)

domaine tetta
岡山県新見市哲多町矢戸:tetta株式会社

domaine tetta(ドメーヌテッタ/どめーぬてった)は、岡山県北西部、新見市哲多町で2016年秋にスタートしたワイナリー。2009年、ドメーヌワイナリーを目指してブドウ畑の開墾、苗植えに着手し、2016年に念願のワイナリーが完成しました。新見市の土壌組成は、日本では希有な石灰岩土質で、古くからブドウ栽培の文化が根付く地域です。石灰岩土質から成るブドウ(減農薬・草生栽培)のポテンシャルをワインに表現することをコンセプトに、野生酵母でゆっくり優しく発酵させ、ブドウが持つポテンシャルを引き出すワイン造りを目指しています。モダンな建築は、世界的に活躍する岡山出身のインテリアデザイナー、片山正通(かたやままさみち)氏がデザイン。現代アートが展示されたワイナリーには、レストランも併設され、ガラス越しに醸造作業、テラスからはブドウ畑を一望できます。ワインに共通する一貫した世界観が、訪れる人々を魅了しています。

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品種で選ぶと、日本ワインはもっと楽しい!
ブドウ品種別ガイド

ブドウ品種で選べば、日本ワインがもっと楽しくなる。日本固有種から欧州系品種まで、品種ガイドと、ワインエキスパートおすすめの銘柄を紹介します。

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日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド

日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した50以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。

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